セミナーレポート

第14回 2010年11月講座

「京阪文化サミット in 中之島」

開業100年を迎えた京阪電鉄沿線の街と文化を再発見し、文字通り「線」につないでいこうと開かれたナカノシマ大学11月講座。「京阪沿線学」を提唱する大阪府立大の橋爪紳也先生をコーディネーターに、沿線3市が連携へ向けて初会合を持った。福祉と教育、豊かな歴史遺産を誇る「京街道の真珠」枚方。「ワガヤネヤガワ」を看板に独自のブランド戦略を進める寝屋川。「無名」と謙遜しつつも「七夕伝説のまち」一本槍でパワフルに迫る交野。愛と笑いあふれる地元自慢大会は、「京阪沿線文化」の確立へたしかな一歩を感じさせた。

資料によって解き明かされた、京阪沿線の文化。

まずは25年前から京阪沿線に注目してきた橋爪先生による基調講演。「沿線文化といえば阪急ばかりが語られますが、鉄道各社は切磋琢磨しながら郊外へ文化を広げてきたんです」。京阪なら枚方の菊人形の開催、ロマンスカーの導入、香里園遊園地や住宅地の整備、成田山不動尊の誘致…。雑誌『京阪グラフィック』や古い絵ハガキ、設計図面などのお宝を披露しつつ、沿線開発史をひも解いた。

知られざる沿線ネタを集めてきた橋爪先生が呼びかけるのは地元の再発見。「阪神間学は1920~30年代を再評価する『阪神間モダニズム』という本をきっかけに盛り上がった。京阪沿線だって同じことができるはず」。たとえば、京阪間モダニズムの研究会や展覧会・出版、大学や博物館との連携、車内や駅のミュージアム化…方法はいくらでもある、と。

枚方・寝屋川・交野、各市がこぞってアピール。

これを受けた各市のプレゼンとクロストークは三者三様の個性にあふれ、大いに盛り上がった。舟運と宿場町の歴史に着目したイベントや街づくりを進める枚方。モノではなく「人」を資源に、香里園のブランド化などに取り組む寝屋川。「天の川 七夕まつり」を核に、「ロマンあふれる支線に」と意気込む交野。淀川や七夕プロムナードなど、線路以外に街を結ぶ「線」も浮上し、各市間でラブコールを送ったり送られたり。次回の開催(あるのか!?)が楽しみな初サミットとなった。

1960年、大阪市生まれ。大阪府立大学の教授、府政策アドバイザーなど多数の肩書きを持つ都市文化や観光・まちづくりの専門家。上海万博大阪出展実行委 員会のプロデューサーを務めている。著書「集客都市」「モダン都市の誕生」「大阪力事典」「絵はがき100年」など多数。

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