調査5年、そして1年半にわたって連載した
「大阪アースダイバー」が堂々完結!
中沢先生、大阪の見え方はどう変わりましたか?
人類学者・中沢新一が、ナカノシマ大学に再びやって来る。2010年4月講座として行われた「大阪アースダイバーへの道」は、400人を超える人々が集まる大盛況となった。その時はまだ週刊現代での連載が始まる前。それから約2年が経ち、連載も今年の1月をもって堂々完結。その経過を楽しみにフォローしていた人も多いだろう。
生國魂神社や坐摩神社など、大阪を代表する神社でさえ、時代によって場所を移されていることを挙げ、中沢先生は大阪を「やわらかい土地」と表現する。お寺や神社といった宗教・歴史に深く関わる場所から、千日前に代表される繁華街、商人の町であった船場など大阪中をくまなく歩き、「土地の記憶」の解明に取り組んできた。調査に5年、連載期間は1年半というビッグプロジェクトは、今後いよいよ単行本として出版されることとなる。
その前に、中沢先生にアースダイバーによって見えてきた大阪の全貌の“調査報告”をしていただこう。「風通しの良さや、大人のコミュニケーション、こうした人の気持ちよさと食の豊かさは日本にも類がない」と話す中沢先生。アースダイバーの前後で、大阪の見え方はどう変わったかのか? そしてこれからの展開はどうなるのか? 中沢先生の肉声が大阪で聴ける久しぶりの機会をお見逃しなく。
中沢先生、お待ちしております!
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対談/江 弘毅(『月刊島民』編集発行人) 大阪の街場のこと、祭りのことならおまかせ。 |
| わー、中沢新一先生とお話できるんですか。それもわたしらの地元・大阪について。大阪について考えたり語ったりするのは、地勢や風土、歴史や宗教、言葉や気質、食べ物や金儲けのことなど、変数群がぐちゃぐちゃに入り組んでいて、それらのあれやこれをほぐして腑分けしたりすることはあまり有効ではなく。そういうふうに思っているのですが、そのぐちゃぐちゃなありようをすっきりした話で語っていただける(これは矛盾しているように見えるがしていない)希有な人が、中沢先生ですね。かっこいいですし。とてもたのしみにしています。散髪いっとかなあかんなあ。 | |
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コーディネイター/釈 徹宗(相愛大学教授) 宗教・歴史の圧倒的な知識から大阪を俯瞰。 |
| 人類規模の壮大な視点から、私たちの日常の構造を読み解く。さらには、それを足がかりにこれからの社会のありかたまで語るアースダイバー。中沢新一先生が「大阪」に眼をつけたのは、ゆえなきことではありません。「大阪アースダイバー」こと、今、必要な作業なのです。心から大阪を愛する二人、中沢新一×江弘毅の語りで視界が変わります! | |
講座の前に予習・復習!
中沢新一「大阪アースダイビング」語録。
●江戸と大坂を分けたもの
江戸時代、東京(江戸)では金を使っていました。金は定量で判子を押してあるから、交換する時は重さを量らず、判子の権威を担保にして流通していた。一方、大坂では銀が使われていたのですが、銀の場合は正確な重さが分からないから秤で量らなくちゃいけない。でも、いちいちこんな面倒くさいことはやっていられないので、ここに「信用」が発生します。人間関係の中で信用を築くには時間が必要です。しかもそれを持続させるために、信用を大事にして社会をつくっていく。それが大阪と東京の大きな違いです。 定量のお金ではなく、不確定なものを交換し合うことによって、信用という人間同士の関係を強固なものにする。その上で成り立っていく商業資本主義が大阪で発達しました。今、資本主義の考え方が世界的に危機的状況に陥っている中で、それを脱するヒントを大坂の商人が残してくれているんじゃないかと思うんです。
(ナカノシマ大学2010年4月講座「大阪アースダイバーへの道」2010年4月16日)
●大阪のなりたち
世界の大都市や文明は、たいてい川の河口につくられたり、三角州のような場所からだんだん発達してくるのが特徴なんです。その意味で言うと、大阪は非常に原型的で古典的な成り立ちをしている。大阪の学者たちは昔からものすごく大阪に誇りを持っていて、「大阪はパリに似ているんじゃないか」とよく書いています。それもそのはずで、パリはセーヌ川のほとりにできたシテ島という砂洲の上に生まれた街だったんですから。大阪では中之島が非常に高級な場所であるわけですが、あそこに立っていると「これはパリだね」と感じるのは確かにその通りなんですね。
(ナカノシマ大学東京編「アースダイバーで読み解く、東京×大阪」2011年2月8日)
●北新地の「遊び」
銀座は、もともと霞ヶ関の官庁街で働く役人たちの接待場として造られた街。だからそこへ行く人はどうしても威張っちゃうけど、大阪の場合はそういう中央官庁とは縁がない。つまり、北新地でのやり取りは、純粋な意味での遊びであるわけですね。昔の遊郭と同じで、そこに出入りする人間は平等です。男と女はもちろん、客である男の中でも手代(下級役人)であろうが、壇さんであろうが、その空間の中では平等。北新地では、「誰が偉い」といったことをあまり感じません。「アジール」なんですね。
(PDF:『月刊島民』2011年10月号)
| 講座概要 | |
|---|---|
| 開催日 | 3月23日(金)7:00PM〜(開場6:00PM〜) |
| 講師 | 中沢新一(明治大学 野生の科学研究所所長) 江弘毅(『月刊島民』編集発行人) 釈徹宗 (相愛大学教授) |
| 会場 | 北御堂・津村ホール |
| 受講料 | 2,000円 |
| 主催 | ナカノシマ大学事務局 |
| 定員 | 200名 |
| 協力 | 大阪21世紀協会 |
| 会場マップ | |
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